「雑草ちゃん 2021」
「雑草ちゃん 2021」
「正直ね、君の国の政治体制、どーにも好きになれないんだよね。」
バイト中、お客さんに言われた。
は?それ、なーに言う?
いや、我慢我慢。
お客様は神様らしいし。
「あちらの国は何回お金払ったら気が済むの?」
店長に言われた。
待って、誰のせいやねん。
いや、我慢我慢。
クビは勘弁。
「アメリカ様に比べたらどっちの国もほんとしょうもないよ。」
日韓(朝)ハーフの、アイデンティティ絶賛彷徨い中のバイト生に言われた。
それ、てめーの問題だよ。
いやだから、我慢我慢。
っていつまで我慢してる?
強く主張できないまま。
主導権を握られたまま。
取り繕って、無理矢理笑って。
悔しい。悔しい。
マスクの下で唇の皮をむいて食べた。
その日、寒い寒い公園でヤケ酒して、みっともなく吐きました。
こっぴどく貶されても、無神経に踏みにじられても、
肝臓が悲鳴を上げても、唇から血が出ても、
私はやっぱり朝鮮人です。
絶対に朝鮮人です。
(孫花純 / 外国語学部日本語学科3年)
0コメント